10話というちょっと短い尺で1クール終えたTVアニメ「小市民」シリーズですが、すでに第2期のアナウンスがありました。半年のインターバルで来年の4月放映開始なので、もともと2期まで決まっていた実質的な分割2クールなのでしょう。
と言うよりも、原作のボリュームを考えると、1期10話で小説2冊分なので、残り4冊は2クール20話~ぐらい必要なので、分割ではなく2クールという表現になったのでしょう。
その「小市民」シリーズのコミカライズのご紹介です。
とは言っても、現在連載中のものではなくすでに廃版になっていて古書ではないと入手不能なのですが……。
この「春季限定いちごタルト事件」は、月刊Gファンタジーに2007年から2009年にかけて掲載されたもので、作画は饅頭屋餡子。
あまり聞かない漫画家ですが、Wikipediaでみると読み切り作品が少しとこの「春季限定いちごタルト事件」ぐらいしか活動していません。
絵柄はかなり可愛くさっぱりした作画で、幼ないさんが普通の美少女で裏があるように見えないのがポイントでしょうか。
「夏季限定」の方は、おみおみが作画で、やはり月刊Gファンタジーで2010年から2011年にかけて連載しています。
もともと、「小市民」シリーズは第1作の「春期」が2004年、「夏期」が2006年、「秋期」が上下巻ともに2009年ですから、かなり古いシリーズです。
古典部シリーズが小説が2001年からシリーズが始まり、京アニのアニメ化が2012年なので、それを考えるともうとっくにアニメ化されていてもおかしくはなかったシリーズです。
ただ、古典部シリーズのアニメ化である「氷菓」は、時間が経ってから評価が高まったタイプの作品で、当初から作画のクオリティの高さには定評がありましたが、放送直後は割とイマイチだったという声が多かったように記憶しています。そうしたこともあって、米澤穂信のもう一つの青春もののシリーズとなる「古典部」はすぐにアニメ化された無かったのでしょう。
しかし、今の時代になってのアニメ化をみると、あの全盛期の京アニほどの潤沢な資金は掛けてないようですが、それでも美麗な作画ですし、放送枠も考えられていて、かなりの恵まれたアニメ化なので、これで良かった気がします。
「夏期」まで見ると、天然で悪気のない千反田えるに比べて、邪悪な本性をあからさまにした小山内ゆきの「魅力」に、アニメ組も気がついたのでここから2期にかけてさらに人気が高まりそう。
この2つのコミカライズは、けっこう出来が良いのに、紙の本だけで、それも絶版済み。電子書籍もありません。
紙の本で再販は時間が掛かりそうですが、電子化だけならそれほど大変ではないはずなので、ぜひともやってほしいところ。それとも小説は創元社でコミックはスクエニだと、いろいろ権利関係が難しいのだろうか。
それと、秋と冬、そして番外編的な「巴里マカロンの謎」と単行本未収録作品も手つかずなので、こちらも期待したいですね。
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