スプロンとは

スプロン(SPRON)はセイコーインスツルメンツの開発した特殊金属材料で、SPRING MICRONに基づくそうで、精密バネとして優れた材料特性とミクロン単位で管理された精密加工仕上げ寸法を誇ります。
このスプロンは機械式ムーブメントのゼンマイ用の材料として東北大学金属材料研究所との共同開発されたもので、高弾性で耐久性、耐食性、耐熱性に優れ、時計のゼンマイとしてはもちろん、医療用や小型精密バネ、メタルダイヤフラムなど幅広い分野で使われています。
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リピーターとは

リピーターとは、時計の機能として、ボタンやレバーを操作することで、現在の時刻を鐘の音で知らせるシステムを指します。
もともと、夜光塗料が無かった時代に暗闇で時刻を知ったり、懐中時計をポケットから出さずに時刻を知るために開発されたもので、1676年エドワード・バーロウによって発明されました。
それが1783年に天才時計師と言われたアブラアム=ルイ・ブレゲによって、小型化に成功。現在まで広く用いられています。
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パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)とは

パーペチュアルカレンダー(永久カレンダー)とは、機械式時計で月による日数の違い(大の月、小の月)や、うるう年の調整などを自動的に行うカレンダー機構のことです。

普通の機械式時計では月初に、その月の日付、曜日に持ち主が手動で合わせて使うのが当たり前ですが、パーペチュアルカレンダーではそれが不要というもの。
もっとも、クォーツでは特に珍しくもない機構ですが、歯車とゼンマイでそれをやろうとすると、とてつもなく珍しく、本格的なパーペチュアルカレンダーは販売価格が1千万を超えるものも珍しくありません。
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ペトラン式巻き上げ機構とは

ペトラン式の自動巻き上げ機構とはIWCの伝説的な時計師アルバート・ペトランが開発したローターの巻き上げ機構です。
アルバート・ペトランは長らくIWCの技術責任者を勤めた時計師でIWC中興の祖と言っても良い業績を残した人物です。このペトラン式巻き上げ機構を開発したのは、1950年。
当時のIWCは手巻きムーブメントの名作と言われたCal.89系が主流で、このムーブもペトランが設計したもので、当時は薄さがもてはやされていたのですが、頑丈さにこだわり敢えて厚みのあるムーブメントを設計。手巻きムーブメントの手本、古典的名機と言われた名作です。

そのCal.89系の次にIWCが開発したのが、自動巻きのムーブメントの世界でやはり名機と言われたCal.50系。自動巻きムーブメントは手で竜頭を巻き上げる他に、ローターを回転させてゼンマイを巻き上げるのですが、その際にペトランが開発した方式はローターがどちら側に回っても、ゼンマイが巻き上がるという仕組みで巻き上げ効率が格段に良くなっています。しかも、このペトラン式を採用することで衝撃にも強くなりますし、現在に至るまで自動巻き時計の最も効率的な方式として現在に至るまで高く評価されています。
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トゥールビヨンとは

トゥールビヨンとは機械式時計の複雑機構の1つで、その代表的なもの。
時計はテンプと呼ばれる輪状のパーツとその軸につけられたヒゲゼンマイにより、ヒゲゼンマイのほどけるスピードを制御。それで時刻合わせを行っている。

しかし、17世紀当時の時計は基本的に懐中時計であり、いつもポケットの中に入っているので上下が一定で、しかもそのころのヒゲゼンマイの製造技術では、ゼンマイが重力に引っ張られて歪んでしまう。
そのため、時刻にずれが生じるというもんだいがあり、当時の天才時計師のアブラアム=ルイ・ブレゲは内部機構を回転させて重力の影響を分散させれば良い、と考え、トゥールビヨン機構を作る。
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ムーンフェイズとは

ムーンフェイズは、時計の機能の1つで、ダイアル上にある月齢表示を意味します。インダイアル(ダイアル上の小さな小窓)は半円を組み合わせたような形状になっていて、そこに月の状態を示した円盤が覗くという表示が多いようです。
ムーンフェイスではなく、ムーンフェイズ(moonphase)。英語で月齢を意味します。
月の満ち欠けの周期は29.5日であるので、59日周期の歯車に月を表す円を2つ対象に配置して、それが29.5日で半回転するという仕組みになっています。
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レトログラードとは

レトログラードは、腕時計の表示方法の1つ。
通常は時計の針はダイアル上を円を描いて回りますが、レトログラードでは扇形のインダイアル(ダイアル=文字盤上の小さなダイアル)を端から動いていき、もう一端にたどり着くと最初に逆戻りするという機能。
秒針やカレンダーなどに使われることが多く、レトログラードとはフランス語で「逆行」という意味だそうです。
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スプリングドライブとは

スプリングドライブとはセイコーが独自開発した「時計を動かす仕組み」のこと。
基本的に時計の駆動方式には機械式ムーブメントとクォーツムーブメントの2種類があり、機械式ムーブメントはゼンマイを巻き上げて、それがほどける力を利用して歯車を動かし、時間を測るというもの。
一方のクォーツ時計は電池から供給される電気でクォーツ(水晶)を振動させて時間を測ります。

かつては時計といえばごく僅かな例外を除いて機械式しかありませんでしたが、1969年にセイコーがクォーツムーブメントを積んだアストロン(初代)は発表。時計という世界に革命を起こしました。
現在はクォーツはある程度、汎用品普及品に使われ、機械式は高級品、趣味性の強い時計という住み分けがされています。

スプリングドライブはセイコーが実用化したもので、今現在はセイコーのみが作っています。
動力はゼンマイがほどける力を利用して、発電をしてその電気でICと水晶振動子を駆動して計時するというもので、機械式とクォーツのハイブリッドといえるでしょう。
これはセイコーがクォーツ発表後、次なる実用時計の実現を目指し開発開始したものです。
こうした仕組みを実現出来るのは、機械式ムーブメントもクォーツムーブメントも自社で内製しているセイコーならではといえるでしょう。

しかし、さすがのセイコーであっても全く新しいムーブメントの機構を作り上げるというのは難問が山積みでした。
1977年からスプリングドライブの構想自体は持っていたそうですが、82年に開発開始。98年にようやく20年以上もの時間をかけて誕生し、グランドセイコーなどのセイコーが誇る上位モデルに搭載されました。
当初は手巻きモデルのみでしたが、自動巻きモデルも開発されて04年に9Rスプリングドライブとしてグランドセイコーに搭載されています。
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コーアクシャル・エスケープメントとは

コーアクシャル・エスケープメントとは、ジョージ・ダニエルズが1974年に発明した脱進機のシステム。
脱進機とは機械式ムーブメントの仕組みの1つで、時計が正しく時を刻むためにはゼンマイがほどけるスピードを一定に保つ必要があるのですが、この役割を調速機と脱進機の二つの機構が担っています。このうち脱進機は、歯車の輪列の最後に位置して廻るギザギザの歯車である「ガンギ車」と往復運動によってガンギ車の歯を一つづつ正確にすすめる「アンクル」という部品で構成されていて、時計の動力であるゼンマイが一気に解けないように制御します。
これはかなりムーブメントの中でもかなり負担が掛かる部品で、しかも時計の精度に大きな影響を与える大事な部品でもあります。

ジョージ・ダニエルズ博士が発明したコーアクシャル・エスケープメントは2枚のガンギ車を同軸上に配置することでガンギ車の歯先にかかる摩擦を最小限に抑えるという仕組みで、これによって潤滑油補給の必要が無くなってオーバーホールの間隔が長くなりました。精度の面でも良い影響があって、コーアクシャルは次世代の脱進機のあるべき姿として期待されましたが、非常に繊細な部品を組み込むことを要求され、ワンオフやそれに近いスペシャルウォッチならばともかく、量産品に搭載するのは無理だと思われていました。
しかし、1990年代なかばにオメガが量産化にチャレンジ。
1999年にデ・ヴィル・コーアクシャルというモデルで、コーアクシャル搭載コレクションに定番化、量産化に成功します。

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手巻きムーブメントとは

時計好きの間では機械式のムーブメントに対する、こだわりというか執着と言うか、多くのファンが多くの意見を持っていますが、そうした中で割合にムーブメント自体が少なくて、かなりの少数派になっているのが手巻きムーブメント。
機械式ムーブメントは毎日使い続けていれば、自然にゼンマイが巻き上げられていって、いつの間にか止まっている……という事態はめったに起こらないのですが、手巻きムーブメントは自動巻きと違い、ユーザーが自力で竜頭を使ってゼンマイを巻き上げなければなりません。

こうした欠点というか、面倒な点を持っている手巻きムーブメントは機械式が見直されている現代でも、そこまで復興しているわけではありません。

しかしやはり機械式ムーブメントといえば手巻きだぜ、という顧客は必ず一定数居て、そうした顧客向けに手巻きムーブメントは確固たる地位は築いています。
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