エポス/ブランド紹介

エポスは、源流をたどると1925年まで遡れます。ジェームス・オーバートがスイス・ジュウ渓谷に時計工房を設立して、複雑時計のスペシャリストになっていきます。

しかし、この手の工房は大抵クォーツショックで消滅したのですが、エポスも同様でした。そして1983年、ピーター・ホッファーが新たに機械式時計を専門に制作する会社を立ち上げて、エポスの名前を引継ぎました。従って、実質的な創業は1983年と言えるのかも知れません。

70年代を通して、機械式時計はクォーツ時計に席巻されて見る影もなかったのですが、80年代に入って、そろそろ復活の芽が見えてきたころ。
ホッファーはそれでも産業としては未来が暗い状況で、機械式腕時計に全てを掛けたのです。
彼は深い愛情と知識を持ち、伝統的なスイス時計の製造技法と先進的な技術を組み合わせた美しい時計を作りはじめました。ムーブメントは基本は汎用品を使用しながら、必要に応じて様々なブラッシュアップを施し、ケースは古典的で風格のあるデザインを基本に揃えていました。

2002年にホッファーは引退し、現在はタムディ・チョンゲとウルスラ・フォルスター夫妻がブランドを運営しています。

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オリス(ORIS)/ブランド紹介

オリスは1904年にスイス・バーゼル地方ヘルシュタインのオリス川のほとりに誕生したブランドで、当初から機械式腕時計を生産することを目的にしています。創業者はポール・カッティンとジョージ・クリスチャン。
創業者たちの死後、ジョージ・クリスチャンの義理の兄であるオスカー・エルゾックが1928年から71年まで43年間経営を引き受けて、オリスの舵取りをしていきます。
その間、大戦や戦後の混乱期、経済発展など様々な社会環境の変化がありましたが、オリスは歩みを止めず、戦前にはビッククラウンとポインターデイトを搭載したパイロットウォッチを開発するなど、歴史を刻んで行きます。

70年代から80年代初頭にはクォーツ危機に襲われ、他のスイスブランドと同様経営危機に陥りますが、機械式時計のみの生産で乗り切っていきます。

現在のオリスは割合に低価格帯の品揃えながら、単なるETAポンではなく、凝った一工夫を加えたモデルや高品質のケース、デザインを実現しており、ひところの初心者向けからも脱して、多くのファンを持つブランドに成長しています。

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IWCシャフハウゼン/ブランド紹介

IWC(international watch company)は1868年創業のスイス・シャフハウゼンの時計メーカーです。創業者はフローレンス・アリオスト・ジョーンズという米国人の時計職人で、米国流の生産方式(大量生産技術)をスイスに持ち込んで時計作りを目指しましたが、それまでの時計産業の中心地ではスイスの伝統的な職人気質に邪魔をされて、ドイツ国境近くのシャフハウゼンに創業の地を選びました。
当時、シャフハウゼンはハインリッヒ・モーザーというその地出身でロシアで成功を収めた時計職人が、ライン川の水力発電所の建設に関わり、低廉で安定した電力がジョーンズに魅力を感じたと言われます。

その後、19世紀の内にIWCはドイツ資本に買収されて、ドイツ的な色彩の強いブランドに成長していきます。
20世紀に入ってからは、IWCは電磁波の影響を遮断する耐磁時計や、その耐磁性を利用したパイロットウォッチ、手巻きの名作ムーブメントCal.89や、自動巻きで優れた巻き上げ効率を誇るペトラン式のCal.854シリーズなどを開発しました。

しかし、高価だが高性能で信頼できる実用時計というIWCの立ち位置はクォーツの登場で壊滅的な打撃を受け、経営も傾きます。
最も厳しい時期には従業員が一年で1/3に減り、残った従業員も週4日出勤という状況になって、自社ムーブメントの製造も中止となります。

これを救済したのがドイツのマンネマンとVDOであって、経営者として派遣されたギュンター・ブルムラインは優れたコレクションを発表し続け経営の立て直しに成功します。
現在のIWCは高級ブランド時計として、多くの時計好きに愛されており、技術主導型で質実剛健なイメージを維持しています。
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Pen (ペン) 『特集 「最初」と「最後」の腕時計はどれだ?!』/kindle unlimited読み放題対象

Penという雑誌で、ブランド腕時計特集をしていたので、ご紹介。
と言っても紙の本ではなくて、Kindle本(アマゾンの電子書籍)。こちらは、kindle unlimitedというサービスに入っていると読み放題対象で、追加料金無しで読める。
今回の内容は主にスイスの高級ブランド時計を扱っていて、正直、敷居は高いのだが、美しい時計は雑誌のカラーグラビアを見ているだけでも楽しいものである。
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オメガ(OMEGA)/ブランド紹介

オメガはスイスの有名時計ブランド。
日本ではロレックスとオメガは人気ブランドの両巨頭とも言えます。

オメガの設立は1848年。
ルイ・ブランがラ・ショー・ド・フォンで懐中時計の組み立て工房を開いたのが始まりです。19世紀末に有名なキャリバー「オメガ」を制作したのですが、このキャリバーが全てのキャリバーの最終的な完成形であるという意味を込めてオメガと名付けました。
1930年代にオメガはティソ等とSSIHグループを結成。1965年にスピードマスターがNASAの公式時計として採用され、ムーンウォッチ(月に行った時計)になりました。人類が月に行ったのはアポロ計画だけなので、現在までオメガのみがムーンウォッチになります。

その後、クォーツショックの煽りを受けて、経営危機に陥り、1983年にSSIHグループはASUAGグループ(ロンジン等)と合併。スウォッチグループの前身になるSMHグループを結成する。このSMHグループは現在のスウォッチグループに発展します。

オメガは、過去には手巻きのCal.30系、自動巻きのCal.550系などの自社設計の名キャリバーを輩出していましたが、クォーツショック後は長らくETAのキャリバーをメインに使っていました。
最も単純にETAポン(汎用ムーブを載せるだけ)ではなく、ムーブにコーアクシャル・エスケープメントと呼ばれる自社開発の新機構を採用して、一流のムーブに仕立て直すなどのオメガならではのブラッシュアップを行っていました。
また、ムーンウォッチのスピードマスタープロフェッショナルにはレマニア(現ブレゲ内)製のムーブを載せたり、スウォッチグループの高級ムーブメーカーのフレデリックピゲ(現ブランパンマニュファクチュール)を載せたモデルもラインナップしています。

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手巻きムーブメントとは

時計好きの間では機械式のムーブメントに対する、こだわりというか執着と言うか、多くのファンが多くの意見を持っていますが、そうした中で割合にムーブメント自体が少なくて、かなりの少数派になっているのが手巻きムーブメント。
機械式ムーブメントは毎日使い続けていれば、自然にゼンマイが巻き上げられていって、いつの間にか止まっている……という事態はめったに起こらないのですが、手巻きムーブメントは自動巻きと違い、ユーザーが自力で竜頭を使ってゼンマイを巻き上げなければなりません。

こうした欠点というか、面倒な点を持っている手巻きムーブメントは機械式が見直されている現代でも、そこまで復興しているわけではありません。

しかしやはり機械式ムーブメントといえば手巻きだぜ、という顧客は必ず一定数居て、そうした顧客向けに手巻きムーブメントは確固たる地位は築いています。
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自動巻きムーブメントとは

時計のムーブメント(ケースの中の機械部分)はクォーツ式と機械式の二つに大きく分かれます。
機械式は基本的にゼンマイがほどけるエネルギーを利用して針を動かす仕組みで、そのゼンマイを巻き上げる機構として自動巻きと手巻きがあります。

手巻きムーブメントは手動で時計の竜頭を巻き上げることでゼンマイを巻き上げるのですが、自動巻きは時計を腕にはめて普通に動作していることでゼンマイを巻き上げる機構を持ったものを指します(自動巻きで手巻き機能も併用して持っているものがあります)。

なぜ、自動的に巻き上げられるのかというと、ムーブメントの後ろ部分にローターという大抵は半円形の羽根がついていて、これが時計自体が動いたり、向きが変わることで回転して動き、その回転運動によってゼンマイを巻き上げていくという仕組みです。

従って、しばらく置いておくと止まってしまいます。クォーツの正確さに比べると、精度的に劣り一日に数秒後差が出ることもあります。
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