キルケラン(Kilkerran)はキャンベルタウンに125年ぶりに新たに設立されたミッチェルズ・グレンガイル蒸留所(2004年にオープン)で作っているシングルモルトの銘柄です。
蒸留所の敷地は1925年に閉鎖されたグレンガイル蒸留所の跡地になります。
グレンガイル蒸留所は1872年創業でウィリアム・ミッチェルが羊のことで兄弟と揉めて、自分の蒸留所を建てたのが始まりと言われます。
しかし1925年に閉鎖されその後長らくウイスキー造りがされることはありませんでした。
キャンベルタウンはかつては「世界のウイスキーの首都」と言われるほどのウイスキー生産の一大拠点でしたが、その製品の多くがアメリカへの輸出用だったため(キャンベルタウンは大西洋航路の寄港地だったので)、アメリカの禁酒法施行に大きな打撃を受けます。
これで一時は34もの蒸留所があったキャンベルタウンは、禁酒法時代~世界恐慌~世界大戦の荒波を乗り越えたときにはスプリングバンクとグレンスコシアの2つのみとなってしまいました。
そうした時代を乗り越え、ヘドラー・ライト氏125年ぶりにミッチェルズ・グレンガイル蒸留所を復興しました。ライト氏はスプリングバンクの経営者で、グレンガイルを創業したウィリアム・ミッチェルの3代目の甥にあたるそうです。
蒸留所の名前のグレンガイルはすでに他社のブランドになっているため、この新しい蒸留所のオフィシャルのシングルモルトはキルケランの名前でリリースされています。
ちなみにキルケランとは地元の聖人であるセント・ケアランの教会からだそうです。
キャンベルタウンの雄であり、兄弟蒸留所でもあるスプリングバンク蒸留所でフロアモルティングされた麦芽を使い、スプリングバンクと同じクロスヒル湖の水を使用し、2回蒸留しています。
生産量は年間に3万リットル程度と少ないのですが、毎年成長していく、現在進行形の銘柄としてスコッチ好きの心を掴んでいます。
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