グレンアラヒー蒸留所はスペイサイドに1967年創業。歴史の古い蒸留所が多い中、比較的新しい蒸留所です。設計したのは、蒸留所設計の第一人者と言われるウイリアム・デルメ=エヴァンス。グレンアラヒーの意味はゲール語で「岩の谷」だそうです。
ベンリネス山の来たのアベラワー村に位置し、仕込み水にはベンリネス山の麓から出る水を使用。軽やかな風味を生み出しています。
もともと、グレンアラヒー蒸留所はマッキンレーの原酒確保が目的で建造されたものですが、これまではオフィシャルボトルはほとんど発売されていませんでした。
かつては12年もののオフィシャルボトルが発売されていた頃もありましたが、それは現在ではほぼ見かけません。
蒸留所は、その歴史の中で何度か売却され、一時は生産中止になっていたことがありましたが、ペリノ・リカール系列のキャンベル・ディスティラ-ズが買収してからは主にグランキャンベルのブレンディング用の原酒の製造を行っていました。
グレンアラヒーは2017年10月にそれまでの持ち主であったペルノ・リカールから売却され、ビリー・ウォーカー、トリシャ・サベージ、グラハム・スティーブンソンの3人がザ・グレンアラヒー・コンソシアムという会社を設立し、買い取って事業を継続しました。
このザ・グレンアラヒー・コンソシアムの筆頭株主のビリー・ウォーカーは元ベンリアックで、スコッチウイスキー業界では40年以上の経験のあるベテラン。
ビリー・ウォーカーは、元ベンリアックの創立者でグレンドロナック、グレングラッサを買い取って事業を軌道に載せてから、2016年に3つの蒸留所をブラウンフォーマン社に売却。その翌年にグレンアラヒーを買収したという経緯です。
かれが中心に、バーン・スチュアート時代の盟友、トリシャ・サベージ、インバーハウスの社長を努めたグラハム・スティーブンソンを招いたのです。
そして、2018年2月には1968年2月の蒸留所の生産開始から50年を祝うための6本のシングルキャスクを発表。さらに7月には初のシングルモルトも世界中にリリースされています。
近年は名門蒸留所であっても、大手の傘下に入っているケースが多いのですが、グレンアラヒーは独立系蒸留所として積極的にシングルモルトのリリースを始め、それがスコッチ好きから高い評価を受けています。