チャペックは、チェコ生まれでポーランド人のフランソワ・チェペックが設立した時計ブランドです。チャペック氏はアントワーヌ・ノルベール・ド・パテックとともに運営していたパテック・チャペック社との契約が終わった後に自らの時計会社チャペック社をジュネーブに設立しました。
このパテック・チャベックは、現在のパテックフィリップの前身になった会社で、これだけのブランドを設立するだけの優れた技術を持った時計技師であったと伝えられています。
チャベックは恐らくは時計史上で初めてウォッチブティックをパリのヴァンドーム広場にかまえて、ナポレオン3世の御用時計職人となりました。ポーランド語で初のウォッチメイキングに関する本を書いたとも言われます。
しかし、1869年ごろに会社を精算すると、その後の消息は不明。死亡年などは判明しておらず、ミステリアスな最後です。
ブランドとしてのチャペックは、2011年にバーゼルで復興して、2014年にヌーシャテルに移転して、翌年から複雑時計の販売を開始しています。
時計の分野では、過去の有名ブランド、一流ブランドを復活させる試みがたびたび行われていて、有名なランゲ・アンド・ゾーネやモーザーなどはその成功例です。
チャペックは、会社精算後の権利関係がはっきりしていないことや、パテックフィリップとの関係などがあって、簡単には復興できなかったそうですが、ようやくこの複雑な関係をクリアにしてスタートできたようです。
その戦略は、どうやら近年の高級メゾンのとっている方向性と逆方向を志向しているのがチャベックの大きな特徴になっています。
最近は、たいていの一流メゾンはマニュファクチュール(ムーブメントの設計・製造から完成品までを自社で一貫して行うメゾン)を目指しています。そして、複雑な機構を組み込んだ時計を作れば作るほど、そのメゾンの格が上がるというような風潮もありますが、スイスの時計産業というのは早い時期から分業制が当たり前になっていました。ムーブメント、ケースなどなど、多くの専門工房が部品を納入して、最終的に完成品を仕上がるというのが、既に数百年に渡って当たり前に行われていた業界で、かつては多くのメゾンがそうやって時計を作ってきました。
チャペックはその伝統を復活していて、自社のサイトでサプライヤーのリストを公開しているほどで、優れた技術をもった独立した工房や職人の名前がずらりと並ぶのは、ちょっと壮観なほど。日本ではマニュファクチュールがもてはやされていますが、実はマニュファクチュールを名乗りながら、結構なロットを外部委託しているメゾンもあり、そうしたところに比べるとチャペックの方向性は潔さを感じさせます。
肝心の完成品については、2015年に新生チャペックの第一号モデルとして「ケ・デ・ベルク」というコレクションが発表されています。この「ケ・デ・ベルク」とはかつてチャペックが工房を構えたジュネーブ・レマン湖畔の通りの名前だそうです。5時位置と7時位置にインダイアルが配置されるというちょっと変わった構成のデザインですが、このレイアウトを実現するためのムーブメントはもちろん新設計によるもので、有名な独立時計師のジャン・フランソワ・モジョンが手がけたそうです。
全体的なデザインはスイス時計の古典を意識しつつも、現代的でシャープな造形。スッキリとした印象に仕上がっています。
スマートウォッチ全盛時代を迎え、高級時計業界はかなり苦しい経営になっている様子で、かつてのクォーツショックのような大打撃を受けるかも知れません。
しかし、意欲的な試みに満ちたメゾンだけに生き延びて、大輪の花を咲かせて欲しいものです。
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