ギルビーズ(GILBEY’S)はジンの代表的な銘柄で、日本ではキリンビールが輸入販売しているブランドです。
ギルビーズ(GILBEY’S)は1857年にウォルター・ギルビーとアルフレッド・ギルビー兄弟がロンドンのソーホーで会社を設立したのが始まり。二人はクリミア戦争でボランティアとしてダーダネルスの病院で働きましたが終戦で帰国。ワインの卸売をしていた兄のヘンリー・ギルビーの助言で、ロンドンでワインの小売とスピリッツの取引をはじめたのです。
彼らは、南アフリカのケープワインに着目して輸入するとロンドンで小さな店を開きました。
ジンの歴史の中で19世紀半ばに連続式蒸留器の発明と共に雑味の少ないジンが蒸留できるようになったのは大きな出来事で、これによっていわゆるドライジン(ロンドンジン)が生まれ、愛されるようになります。
その流れを見たギルビー兄弟はジンの製造をはじめます。
ロンドンのカムデンタウンに蒸留所を作り、ギルビー家秘伝のレシピでオリジナルの「ギルビージン」を完成。
彼らの商売はワインの販売ですでに大きな成功を得ており、ウォルター・ギルビーは1893年に事業を民間有限責任会社に改組して息子たちに引き継がせましたが、同年には男爵として叙勲され、事業家としての顔の他にも馬のブリーダー、王立農業協会の会長なども勤めたとのことです。
経営が息子たちの代になった1895年にはこのギルビージンの販売戦略として「秘伝のロンドンドライジン」と謳って、世界中に販路を広げていきます。特に1908年の英仏博覧会でグランプリを受賞したことでステイタスがあがり、ジンの代表的な銘柄となっていきます。
現在のギルビーズ(GILBEY’S)はイギリスの多くのメーカーと同じように経営統合の波に従い、英国ディアジオ社のブランドの一つになり、傘下のW&Aギルビー社が製造しています。
そして、おなじみのジンに加え、ウォッカも製造。
比較的、製法が似ているので、どちらもおなじみの銘柄として愛されています。