キングスバリー ビクトリアンバット ジンは、スコットランドのアバディーン市を拠点にしているボトラー(瓶詰め業者)であるキングスバリー社の銘柄です。キングスバリー社はウイスキーも手がけるボトラーで、その経験を活かしたドライ・ジン造りをしています。
特徴は大きく分けると2つあり、1つは通常市販されているジンの2倍以上のジュニパーベリーを使っていること。もう一つは19世紀ビクトリア朝時代の保存方法を復活させて樽熟成を行っていること、です。
現在のジンはシトラスフレーバーが主流になっていますが、それに対し強烈なジュニパー(クロアチアかハンガリー産だそうです)を使い、スパイシーな香りが個性を際立たせています。
また、19世紀ビクトリア朝の頃はジンは樽詰めで船で世界中に運ばれていましたが、そのため、ウイスキーのように淡い琥珀色がついていました。その当時の故事にならってキングスバリー ビクトリアンバット ジンは12週間から長いときには26週間、樽で熟成をかけています。
ウイスキーは、数年から長いものは数十年もの間、樽熟成を行いますので、それに比べれば短く、樽香はついていないので、カクテルの香りを壊すことはなさそうです。
ビターでドライで骨太な味わい。ガツンとくるジンで、キニーネ無しの日本のトニックウォーターでも本場英国のジントニックの味わいを再現することが出来ます。
日本では入手出来るのは定番の「キングスバリー ビクトリアンバット ジン」と「同 シングルカスク」が一般的です。
シングルカスクは、2008年にビクトリアンバット・ジンが進化を遂げて、世界初のシングルカスクとして発売されたもので、ラベル右下にカスクナンバーも表記されています。
カスク(Cask)とは樽のことで、複数の樽の原酒をブレンドして味を整えた訳ではなく、1つの樽からそのままボトリングしたという意味。
ウイスキーのシングルモルトは、1つの蒸留所のモルトウイスキーをボトリングしたものですが、その蒸留所の複数の樽の原酒をブレンドはしています。これは味を均一にするためですが、それすらせずに1つの樽からのみボトリングしたシングルカスク(バーボンではシングルバレルという言い方をします)も存在して、これだと樽一つ一つの個性がもろに出てくるので、同じブランドのシングルカスクでもそれぞれにちょっとずつ味わいが違う、ということが起きます。
このビクトリアンバット ジンの シングルカスクでも事情は同じで、販売店には年に数回ぐらい不定期で入荷するそうですが、その度にアルコール度数がちょっとずつ違ったりするそうです。味わいもその時々ですが、自ブランドの評判を落とすような瓶詰めはしないので、それぞれの個性を楽しむというスタンスで、味わえるかと思います。
通常のビクトリアンバットがアルコール度数47%に対し、もっと高いアルコール度数でダブルジュニパーがより強く感じられます。
なお、キングスバリーはロンドンで製造しているのも特徴の1つで、現在の法律ではロンドンで作らなくても「ロンドン ドライ・ジン」を名乗ることが出来ますが、このあたりがこだわりなのでしょう。
使っているボタニカルはジュニパー以外は非公開。
価格は通常版が2000円台前半ぐらいで、どこの酒屋の棚でも見かけるビーフィーターやギルビーズに比べると高価ですが、最近流行しているクラフトジンに比べるとかなり買いやすくなっています。
上品で洗練されているとは言えないかも知れませんが、本場の、そして19世紀以来の伝統のジンの荒々しい魅力を感じることが出来るブランドです。
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【包装不可】 キングスバリー ビクトリアンバット ジン 47度 700ml





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