コーヴァル(KOVAL)は、アメリカで近年、大いに注目を集めているクラフトバーボンの雄とも言える蒸留所です。
2008年にシカゴで創業しましたが、これは禁酒法時代以後に始めてシカゴで誕生した蒸留所だそうで、いかに長い間、バーボン、アメリカンウイスキーが苦しい時代を過ごしてきたかが分かります。
コーヴァルはクラフトジンの製造でも知られた蒸留所で、ジン同様にオーガニック素材、独自の製法に基づいて製造されています。
コーヴァル蒸留所の創業者のロバート・バーネッカーはオーストリアの蒸留所兼ワイナリーで生まれ、様々な蒸留所で蒸留器の設置経験を持つという人物で、次第に自らの理想の蒸留所を作り上げるべく、2008年にこのコーヴァル蒸留所を立ち上げました。
その際に独自の設計案を加えたハイブリットスチルを採用し、素材の魅力を失わずにスピリッツを作り上げることに成功し、その後も自身の事業はもちろん、講演や実技をとおして2000人にも及ぶ有志を支援、現在ではロバート発の蒸留技術によって多くの優れたウイスキーが生まれ、これもコーヴァルの名を高めるのに役立っています。
コーヴァルの最大の特徴は独自設計のハイブリットスチルで伝統的な単式蒸留のポットスチルに、コラムスチルを搭載したもので、全行程が電子制御された精密機器になります。
これは高度な操作管理の技術が必要で、現在でもこの蒸留器を専門に扱えるのはロバートを除くと3人だけだそうです。
素材は、全て有機栽培で作られたオーガニックのみを使用。製造工程においても糖化に使う酵母や酵素もオーガニック認定のものを採用。
特にキビ(Millet)を使った世界初のミルウイスキーはコーヴァルを象徴するウイスキーになっています。
また、これも大きな特徴になりますが、コーヴァルのボトルはすべてシングルバレル(単一の樽からボトリング)になります。
通常はスコッチのシングルモルトでも、バーボンのプレミアム製品でも、幾つかの樽の原酒をブレンドして製品化されており、逆に言えば同じ銘柄の同じ年数のものであれば、同じ味になるように調整してあり、これこそがブレンダーの腕の見せどころです。
それに対しシングルバレルは樽の個性が出てしまうので、相当な名門蒸留所でもあまりシングルバレルをラインナップにそろえているところはありません。
敢えて、シングルバレルで揃えるあたりに、コーヴァルの品質に対する絶対の自信を伺わせます。
こうした徹底した科学的アプローチによる酒造りで、これまでの常識を覆すような品質の製品づくりに成功した例というと、日本酒の獺祭を思い起こさせます。
現在のコーヴァル蒸留所では、バーボン、フォーグレイン(4種の穀物)、ライ、キビの4つのラインナップのウイスキーに加え、ジン、リキュールを作っています。
ウイスキー コーヴァル シングルバレル ミレット 750ml (71498) 洋酒 Whisky(76-1)




