アビンジャラク(Abhainn Dearg)は、スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島のルイス島の西海岸にあるウィグのカーニッシュ村のスコッチウイスキー蒸留所になります。
アウター・ヘブリディーズ諸島はありませんスコットランドの西岸に連なる鎖状の島々から構成されていて、本土に近いインナーヘブリディーズ諸島からミンチ海峡によって隔てられています。ルイス島が一番人口が多いのですが、それでも2001年時点でも二万人に満たないほどです。
ルイス島の首都であるストーノウェイでは歴史を遡ると1850年代に2年間だけ、合法的な蒸留所が稼働していた時期がありましたが、その僅かな時期以外はずっとウイスキーは本土から輸入するか、密造酒に頼っていました。
そうしたなか、2008年にマーク・テイバーンによって、アビンジャラク蒸留所が生まれました。蒸留所としてはスコットランド最西で、規模も年間一万リットル程度とスコットランド最小規模の蒸留所です。
アビンジャラク(Abhainn Dearg)とはゲール語で「赤い川」といういみだそうで、蒸留所の横を流れるAbhainn Caslabhat川のことで、この川が血に染まったという伝説が色々と残っているそうですが、いつ何故血に染まったのかは誰に聞いても分からない、ということで不可解な伝説です。
アウター・ヘブリディーズ諸島は現在でもゲール語が広く話されていて、1266年まではノルウェー王国が支配したことから、現在でもノース人の文化が残っています。
アビンジャラク蒸留所の最初の製品が販売されてのは2010年で、最初のシングルモルトは2011年と、まだまだ立ち上がったばかりの蒸留所ですが、ボトルは世界中に広がっていて、高い評価を受けています。
インナーヘブリディーズ諸島には、スカイ島、ジュラ島、マル島などに蒸留所があり、優れたモルトを発表していますが、アウター・ヘブリディーズではこのアビンジャラクが200年ぶりに生まれたぐらいで、まだまだこれからの場所ですが、厳しいながらも豊かな自然に恵まれていて、優れたボトルが生まれる素地は十分。
今後の展開が楽しみな場所です。