ミクターズ(michter’s)はアメリカで最古の蒸留所であるミクターズ社の銘柄として生まれたものです。
ミクターズ社は独立宣言の23年前、1753年設立で、初代大統領のジョージ・ワシントンが独立戦争の将軍だった頃バレー・フォージ基地で兵士たちと呑んだウイスキーであると伝えられており、当時はシャンクスとかボンバーガーというブランドで呼ばれていました。
設立当初からの蒸留所長のモットーは「コストは度外視」というものでした。
現在ミクターズが造られている、ケンタッキー州ルイビルのミクターズ蒸留所でも、この伝統は継承されていて、蒸留所長とテイスティングパネルメンバーが承認しない限りウイスキーが出荷されることはないそうです。
ミクターズのほとんどのウイスキーは表示年度よりも古い原酒が多く使われているそうで、味をより良くするために貯蔵する倉庫を加熱していますが、これによって暖房費が掛かることはもちろん、「天使の分け前」と呼ばれる蒸発分も増え、大きなコストアップになります。
それにもかかわらず、この暖房はずっと続けられています。
また、原酒を貯蔵する樽は、軽く焦がした後に強く焼くという2工程で処理していて、これによって樫材の糖分が凝縮されまろやかな味になっています。樽内の原酒は、他の蒸留所に比べて低いアルコール度数で貯蔵され、高アルコール度数で貯蔵するよりも多い数の樽が必要になりますが、貯蔵後の味がよくなります。
原料の穀物も最高レベルのものをさらに厳選して使っており、最高品質のウイスキーをつくるため「コストは度外視」という伝統を引き継いでいます。
価格的にはいわゆるプレミアムバーボンと呼ばれる価格帯にあり、日常の晩酌にするにはちょっと高すぎるのですが、最高のバーボンを楽しみたい方におすすめ。
ラインナップは収録のケンタッキーストレートバーボンの他に、サワーマッシュウイスキー、ケンタッキーストレートライ、アメリカンウイスキーとなっています。