アイリッシュマンは、Netflixで同名の映画作品がありますが、それとは関係のない、アイリッシュウイスキーの銘柄になります。その多くがブッシュミルズ蒸留所で製造された原酒を、ホット・アイリッシュマン社でボトリングしているものだそうです。
同社は、1999年にバーナード・ウォルシュとローズマリー・ウォルシュによって立ち上げられたボトラーズになります。この会社は、近年多くの名誉ある賞を受賞して成功を収めているウォルシュ社の子会社のような存在です。
アイリッシュウイスキーは20世紀の初めまでは、スコッチウイスキーを抑えて、世界で一番シェアが高かったのですが、主要なマーケットであるアメリカで禁酒法が施行されて不景気に落ち込んだのを皮切りに次々に不運に見舞われてしまい、第二次大戦後にはもうスコッチにはるかに及ばず、わずかにアイリッシュコーヒーに使われる程度しか需要がなくなって、長い長い冬の時代を耐えていきます。
しかし、この10年ぐらいの間、世界的なウイスキーブームに乗って、アイリッシュウイスキーが見直されはじめ、一時は4つにまで減っていた蒸留所も増えていき、新しい蒸留業者やボトラーズが生まれています。
このウォルシュ社もそうした1つで、公式サイトを見ると、創業者夫妻のコメントには「アイリッシュウイスキーの復活に私達の役割を果たすことに専念している」と書かれていて、その意気込みが感じられます。
ウォルシュ社は銘柄として、ライターズ・ティアーズとアイリッシュマンが用意されており、アイリッシュマンはカスクストレングス、ファウンダーズリザーブ、シングルモルト、12年シングルモルト、17年などがラインナップされています。
アイリッシュウイスキーの特徴といえば3回蒸留で、ほとんどのスコッチの2回蒸留に比べて、よりまろやかで軽く仕上がるのが特徴ですが、やはりアイリッシュマンでも3回蒸留が基本になっているようです。
生産量もさほど多くはなさそうで、日本で見かけることが少ないウイスキーですが、ちょっと飲んでみたい一本です。