ペンダーリン(PENDERYN )は、イギリス本島南西部にあるウェールズの蒸留所、ペンダーリンディスティラリーで作られているシングルモルトの銘柄になります。
このペンダーリン蒸留所は、約100年もの間歴史的背景によってウイスキーの蒸留が行われていなかったウェールズにようやく登場した蒸留所であり、2004年3月1日にはチャールズ皇太子同席のもと、復活を遂げたというものです。
この蒸留所では、いくつかのシングルモルトウイスキーに加えて、ジン、ウォッカ、ラム酒、クリームリキュールなどのスピリッツも製造しているようです。
シングルモルトの銘柄としては、ドラゴンシリーズと銘打たれたペンダーリン ミス(PENDERYN MYTH=神話という意味です)、ペンダーリン レジェンド、ペンダーリン ケルトなどがあり、いずれも紙箱には龍の絵柄が描かれています。
そしてゴールドシリーズとして発売されているペンダーリン マディラ、ペンダーリン ピーテッド、ペンダーリン ポートウッド、ペンダーリン シェリーウッド、ペンダーリン リッチオーク、ペンダーリン スラム 2019エディションなど。これは熟成した樽の性格からくる違いを楽しめそうです。
さらにアイコンオブウェールズシリーズとして、ペンダーリン #7リアノン(古代ウェールズの民謡マギノビに出てくる魔女のこと。1975年のフリートウッド・マックの曲もイメージしているようです。)、ペンダーリン #6ロイヤルウェルシュウイスキー(100年以上前に閉鎖されたウェルシュウイスキーを讃えたもの)など、#1まで7種の銘柄が発売されています。
さらにいくつかのシングルカスクと限定版なども発売されていて、蒸留所の規模を考えるとなかなかに頑張っているといえるでしょう。
ただ日本では正直ほとんど手に入らないコレクションばかりで、ペンダーリン ミスが割と入手しやすいでしょうか。
ウェールズのウイスキー蒸留は何百年も続いてきましたが、1894年を最後に行われておらず、ペンダーリンが2000年に会社設立して蒸留を開始し、2004年に販売をした時には1世紀以上ぶりというものでした。
蒸留所は、ブレコンビーコンズ国立公園内のペンダーリン村にあり、その地の新鮮な天然温泉水を原料に使っています。
このウェールズの蒸留所という唯一無二の特徴に加え、デビッド・ファラデー博士(19世紀の有名なマイケル・ファラデーの子孫だそうです)が設計したユニークな銅製のシングルポットスチルを使って蒸留しているのも見逃せません。
このポットスチルはペンダーリンウイスキーに独特なフレッシュさ、フルーティさを与えています。
2008年にはビジターセンターも開設して、多くのウイスキーファンの訪問を受け付けていますが、今の所は新型コロナの影響で閉鎖状態のようです。
ただ、ウイスキーを始めとする酒造業は順調に進んでいるようで、台湾、オーストラリア、フランス、米国などにも輸出されているとのこと。
日本でも一部正規品が入ってくるようになったようで、今後の展開が楽しみです。