ランベイウイスキー(LAMBAY WHISKEY)は、最近注目を集めているアイリッシュウイスキーの銘柄になります。
自社で蒸留しているブランドではないのですが、コニャックで有名なカミュ社がプロデュースしたと言っても過言でない内容です。
ランベイは、アイルランドのダブリンの海岸から5km離れた会場に位置している小さな個人所有のランベイ島で熟成されています。この島はベアリング家という一族が個人所有しているのですが、本土から独立した独特の生態系をもっていて、ツノメドリをはじめとした海鳥の聖域で、国立鳥類保護区に指定されています。また豊富な植物と自然に恵まれて、海岸にはハイイロアザラシのコロニーもあるそうです。
この気候は原酒の熟成に最適だそうで、島の西海岸のかつては救命ボートの置き場になっていたコテージでウイスキー樽を熟成しています。
ベアリング家はイギリス最古の銀行であるベアリングス銀行を創業して家族経営を続けてきたという財閥で、爵位も持っています。現在では銀行業からは離れているそうですが、様々な事業を手掛けています。
そのベアリング家と家族ぐるみの付き合いがあるのがカミュ家で、その流れで、ランベイウイスキーをプロデュースする流れになったそうです。
ランベイウイスキーのマスターブレンダーはカミュのマスターブレンダーが兼任していて、自社蒸留所を持たないために、ウエストコーク蒸留所で原酒の蒸留を行ってますが、マスターブレンダーから細かな蒸留レシピによって指示があるそうです。
そして、原酒を熟成する樽ですが、フィニッシュに使う樽はカミュの古樽を使っているそうです。カミュで40年以上も熟成に使用された古樽を持ち込んでいるそうです。
ランベイウイスキーには幾つかのバージョンがありますが、基本はアイリッシュウイスキーの定番の作り方である3回蒸留をした原酒をバーボン樽などで熟成して、仕上げにカミュのコニャック樽で。
というのがランベイの作り方になっています。
ウイスキーの世界ではバーボン樽やシェリー樽、ワイン樽での熟成は普通に行われていて、マッカランなどではシェリー樽熟成が「売り」になって人気を博しています(バーボンでは新樽を使うという規制がありますが)。
そうした中で、コニャック樽を使うというのは、このランベイ以外では寡聞にして聞いたことがなく、その意味でも珍しいウイスキーです。