シデリット(SIDERIT)はスペイン北部のカンタブリア州にあるデスティレリア・シデリットという小さな蒸留所が作るクラフトジンの銘柄です。
ジンクラシックというボトル名で作られているロンドンドライジンの他には、ジンジンジャーライム、ジンハイビスカスといったジンの他にウォッカ、ヴェルモットも作っています。まあジンが主力商品のようで、公式サイトを見る限りではウイスキーは作っていないようです。
この蒸留所は、この地域でよく知られている職人技と革新的な製造設備を組み合わせて、高品質な飲料を製造する目的で作られていて、2人の起業家が始めた当初は年間にわずか6000本のボトルを製造する小さな倉庫で始めたそうで、現在では35カ国で年間25万本を販売しています。
このロンドンドライジンは、ライ麦から蒸留されたスピリッツに、12種のボタニカルを使って作られています。
そのボタニカルはジュニパーベリー、コリアンダー、ロック・ティー(シソ科/シデリティス属)、カルダモン、アンゼリカ根、シナモン、ビターオレンジピール、マンダリン、ハイビスカス、ピンクペッパー、マルコナ・アーモンド、アイリス・ルートと公表されており、そのなかで特筆すべきはロック・ティー。
このジンを特徴づけているボタニカルで、カンタブリア山系の高山植物だそうです。
ジンはボタニカルはジュニパーベリーを使うのが共通の約束事としてあるぐらいで、あとは定番で使われるボタニカルというのはもちろんありますが、個性を出すためのものは割と各ブランドが自由に決められます。
そこでクラフトジンでは、地元のボタニカルを使うことによってブランドの個性を強くアピールするというケースが一般的で、日本のボタニカルなどは和素材を使うケースが目立ちます。このシデリットでは、蒸留所の存在する地方の高山植物を使って、アピールしているのです。
さらに蒸留に使っている連続蒸留器には耐熱ガラスを使っていて、外気の余分な香りを遮断して作られているのが特徴でしょうか。
日本ではあまりメジャーな銘柄ではないですが、ジン人気も日本で徐々に盛り上がっているので、今後は名前を知られていくことになりそうです。