ロックアイランド(ROCK ISLAND)は、ダグラスレインが展開しているブレンデッドモルトの銘柄になります。
ダグラスレインは、独立系ボトラーズの1つ。創業は1948年に設立されグラスゴーを拠点に活動しています。
元は海運業者だったのですが、当時は戦後すぐでウイスキーの需要が高まっていて、スコッチウイスキーの輸出業に進出して、そのストックを原点に1948年に設立されたそうです。
ボトラーズという業種は日本のウイスキー業界ではあまり聞きませんが、自社では蒸留をせずに蒸留所から樽で原酒を買って自社で熟成、ボトリングして自社ブランドを付けたり、蒸留所の名前を付けて販売している業者です。
ダグラスレイン社は、1990年に女王輸出貢献賞を受賞するなど成功を見せていましたが、創業者の次の世代になって、2013年には分社化。兄のスチュワート・レインがハンターレイン社を設立して、それまでの基幹シリーズを引き継ぎ、弟のフレッド・レインがダグラスレイン社を引き継いで、娘のキャラ・レインとともに同社をもり立てています。
ダグラスレインはそうした訳で分社でコレクションが減ったので、新たにコレクションを増やしましたがそのうちの1つがロックアイランド。
リマーカブルリージョナルモルトシリーズの1つとしてロックオイスターを発売したのが2015年で、これはビッグピート、スカリーワグ、ティモラス ビースティに続く4番目のボトルになります。
そして2016年1月にロックオイスターキャスクストレングスをリリース。牡蠣はかなり好き嫌いが分かれる食べ物だという世界市場からのフィードバックがあったそうで、2019年にロックオイスターはロックアイランドに名称変更されます。
このロックアイランドは、アイランドモルトをブレンドしたものだと言うことで、アイラ島、アラン島、オークニー諸島、ジュラ島で蒸留された原酒を組み合わせ、46.8%のアルコール度数でボトリングされています。
スコッチウイスキーはその地域によって、スペイサイド、ハイランド、アイラモルト、アイランズモルト、キャンベルタウン、ローランドの6つに分かれています。
そのうちアイランドモルトは、アイラ島を除いた島しょ部にある蒸留所で造られたモルトを指します。アイラ島で造られるアイラモルトは島しょ部なのですが、蒸留所数も多く、個性的で、世界的な人気を誇っているということで、アイラモルトのみは別個に1つの地域として扱われています。
ただ、このロックアイランドでは、アイラモルトも「島」のうちにプラスされているそうです。
アラン島はアランモルトのロックランザ蒸留所(アイルオブアラン蒸留所)の原酒、オークニー諸島はハイランドパークのハイランドパーク蒸留所かスキャパ蒸留所(オークニー・ディスティラリー社という新しい蒸留所もありますが、今の処はジンのみのようですね)、ジュラ島は中二病的なボトル名が面白いアイル・オブ・ジュラ蒸留所などがあります。
このうち、どこの蒸留所の原酒がどの程度入っているのかはダグラスレイン社のHPを見ても明記されていませんでしたが、残念ながらスカイ島のタリスカーは無さそうです。
ラインナップは、ロックアイランド、10年、シェリーエディション、グローバルトラベラーズエディションなどがあります。
なお、ロックアイランドはブレンデッドウイスキーではなく、ブレンデッドモルト。これは複数の蒸留所のモルト原酒(大麦麦芽のみを原料としたウイスキー)をブレンドしたもので、最近ではモンキーショルダーや日本の竹鶴ピュアモルトなどが知られています。
アイランドモルトは比較的、味わいが強烈なものが多いのですが、このロックアイランドもそうした個性が強く出ていて、個性的な一本になります。