會津宮泉は、会津若松の宮泉銘醸という蔵の銘柄になります。
宮泉銘醸は昭和30年に宮森啓治酒造場として設立され、39年に宮泉銘醸として法人化されています。江戸時代から続くような蔵に較べると歴史は短いのですが、近年、福島県の銘酒の一つとして多いに注目を集める実力派です。
宮泉銘醸の主力銘柄は、この會津宮泉と寫樂の2つになります(あと、玄武という銘柄がありますが焼酎になります)。
もともとは普通酒メインの蔵で経営状態もそれほど思わしくなかったそうですが、4代目が蔵を引き継ぐ際に「飛露喜」を呑んでその美味しさに衝撃を受け、勉強を重ねて、2007年に新ブランドの「寫樂」の醸造をスタート。
「飛露喜」や「十四代」のような酒造りを目指しつつも、両者の後追いではなく、甘味と酸味がバランス良く広がるお酒にしたいと考え「寫樂」を立ち上げたそうです(銘柄自体は同じ会津市内の本家筋を引き継いだ酒蔵が廃業することになり、その銘柄「寫樂」を継承したそうです)。
その後、「會津宮泉」を引き受けていた杜氏が北海道の酒蔵に移籍して、2012年からは蔵元自身が「會津宮泉」も担当。
現在では、酒造りの全行程をすべて寫樂と同じレベルに切り替えていったそうです。
ただし、「寫樂」のふくよかな甘味と酸味がアクセントをつける味わいに対して、「會津宮泉」は酸味を抑えて、さっぱりとした後味と旨味を出しているそうです。
また、すでに固定ファンがついていた「寫樂」に対して、「會津宮泉」は試験的に様々な挑戦を商品化するのに活用する面もあるとのことです。
また「寫樂」は、全国区で展開することを前提に造られていますが、「會津宮泉」は地元のみが基本。
逆に言えば、地元でしか売っておらず、他の地域の方が入手しようと思ったら現地に旅行するか、ネット通販程度しか無いにも関わらず、これだけ人気と知名度が高まってきたというのは異例なことであると言えましょう。
會津 宮泉 純米酒 火入 720ml あいづみやいずみ




