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米澤穂信の「小市民」シリーズ

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米澤穂信の青春推理ものといえば、「氷菓」に代表される「古典部」シリーズが京アニのアニメになったこともあり有名ですが、クオリティで言えば「小市民」シリーズも見逃せません。

米澤穂信はデビュー当時は高校生から大学生ぐらいを主人公に、日常の謎を扱った青春推理を書く人という印象でしたが、その後次々と本格推理小説を発表し「インシテミル」や「追想五断章」「リカーシブル」「満願」など、推理文壇で高い評価を受けています。

「小市民」シリーズは第一作の「春期限定いちごタルト事件」が2004年で、「古典部シリーズ」と並行して書かれています。

第二作の「夏期限定トロピカルパフェ事件」、第三作の「秋期限定栗きんとん事件」と続き、物語の展開からして次の「冬期限定……」でシリーズ完結かと思っていたのですが、そこでシリーズは途切れてしまいます。

「古典部」シリーズもやっぱり途中で途切れて、米澤穂信自身は執筆ペースが落ちた訳ではないのですが、もう青春ものを手掛ける年齢では無くなってきたのか……という感じでした。

しかし、前作から10年以上経ってから「巴里マカロンの謎」という作品を発表。前三作はそれぞれ推理小説として完結しているのですが、青春ものとしては続いていたのですが、「巴里マカロンの謎」は番外編的な一作になります。

以前にブログで「巴里マカロンの謎」の感想を書いた時にも思っていたことですが、同じ青春推理ものでも「古典部」シリーズの奉太郎くんや千反田えるは高校生らしい悩みや屈託はあるのですが、そこまで捻くれてはいません。

それに対して、「小市民」の小鳩常悟朗くんや小佐内ゆきは、厨二病がこじれるまでこじれきったという感じで、しかも2人ともかなり頭が良いもので、その捻じくれ方が変な方向に噴き出しているといった感じ。

特におさないさんは、その名前の通り、幼い見た目ながら心の内に狼を秘めていて、いったん危害を加えられて「復讐」を決意すると相手を奸計にはめて酷い目に遇わせるという、どこか狂気を感じさせる人格をしています。

久しぶりに「小市民」シリーズを思い出したのは、2024年7月からTVアニメとして放映されるというニュースを見たから。

TVアニメは制作がラパントラック。これまでの実績を見ると「さらざんまい」や「アンデッドガール・マーダーファルス」を作っていますね。監督が神戸守でこちらは「エルフェンリート」「テガミバチ」「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」「すべてがFになる」「約束のネバーランド」をこれまで手掛けて居ます。

「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」「すべてがFになる」はあまり知名度が高い作品では無いですが、個人的には好きな作品。その監督が手掛けるとあっては期待せずには居られません。

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