「あし」が「小説家になろう」で連載し、書籍化。それを内々けやきがコミカライズしている作品の最新21巻が発売になったので、ご紹介します。
この手のなろう小説のコミカライズは雨後の筍のように大量に存在しますが、正直ほとんどが駆け出しの漫画家が良く詰めもしないで描き散らしたと言っても良いような作品です。
もちろん、中には実力のある中堅~ベテラン作家が力を注いだ作品もありますが、それは稀。
この作品については、内々けやきは元から成人漫画を中心に活動していて、秋田書店あたりの雑誌で作品を発表して来ましたが、現在は幅を広げ、講談社の「水曜日のシリウス」で発表しています。
2019年から連載開始して、すでに21巻。非常に速いペースで連載が続いています。
内々けやきはこの他にもルパン三世をはじめ、幾つかのなろう小説にも関わっていて、正直に言えばちょっと働き過ぎ。
この「よくわからないけど異世界に転生していたようです」も、若い巻の密度に比べるとかなり薄くなっている気がします。さらに言えば原作にも無いようなパロディが入っていたり、バトルシーンを盛ったりしています。
でも、それはある程度仕方ないことで、原作がほぼ途絶した形になっていて、もうすぐそれに追い付いてしまいそう。
コミカライズは累計で18巻時点の帯で260万部を突破しているとのことで、原作が無くなったことでやめてしまうには惜しいところ。
いっそ、作者の「あし」にはプロットだけ貰って、もう内々けやきのオリジナルでやれば良さそうな気もしますが、今の大量の作品を抱えていて、それをやっても作り込み不足の作品になりそう……。
もったいない限りです。
ストーリーは、いわゆる異世界転生モノでTSもの。前世を思い出した時点で、平凡でちょっと変わったスキルを持っていた程度だった主人公が、フェンリルの母子と仲良くなって、異世界を旅していって様々な冒険をしていく……というもの。
特に目的があって旅しているのではないということもあるのでしょうが、かなり行き当たりばったりの行動をしています。どうやらキチンとプロットを組んでから連載を始めた訳ではなさそうで、作品自体も行き当たりばったりの雰囲気があって、けっしてレベルは高いように思えません。
で、ありながら、何故か奇妙な魅力があって飽きずに読ませてくれていたのですが、更新されないのはどうしようも無いですね。
ストーリーはともかく、日課と銘打って1人での行為を行っていて、それがこの作品のちょっと変わった点。それと主人公は12歳から13歳ぐらいの少女なのですが、体つきが経産婦っぽい描き方をしていて、それが違和感があります。成人漫画を長く描いていた影響もあるのでしょうが…。
コメント