ジョジョの奇妙な冒険の第9部「ジョジョランズ」の4巻です。ジョジョランズはウルトラジャンプで2023年3月号から連載開始しています。
今回の舞台はハワイで、「大富豪になる」という野望を叶えるべく突き進むジョディオ・ジョースターの物語になっています。「ジョジョの奇妙な冒険」は、もともと少年ジャンプで80年代後半から連載され、シリーズ累計では単行本は100巻を超えていて、日本のみならず全世界にファンを獲得しています。
ジョジョシリーズの目立った特長というと、部ごとに主人公が入れ替わっていくこと。そして、第1部、第2部の主人公は波紋の呼吸を使うのですが、第3部になると「スタンド」を使って戦うようになります。
「スタンド」は能力者がひとり1体(極稀に例外がありますが)発現する人型やいろんな姿をしている怪物で、スタンドを持たない者には見ることが出来ません。超能力をスタンドという形で具現化したと言ってもよく、これが後世のバトル漫画に多大な影響を与えています。
ジョジョは、部を重ねるうちにどんどんスタンド能力が分かりにくく、微妙なものになっていってしまって、なかなか理解しにくくなっていきます。
正直、第5部ぐらいからは漫画で読んでみて、よく分からないというのが実情だったのですが、近年、アニメ化作品が放映されて、それを見て評価がガラリと変わりました。
第6部にあたるストーンオーシャンもとてもおもしろく読めましたが、それ以上に第5部の「黄金の風」が素晴らしかったの一言。特にブチャラティの覚悟と信念が胸を打ちます。
現在、アニメはストーンオーシャンまでで、第7部のスティールボールランと第8部のジョジョリオンを作るのかどうか、まだアナウンスがありませんが、元からファンの評価の高いスティールボールランはぜひともみたいところです。
「ストーンオーシャン」の結末で、世界が一巡してしまったので、それ以降は一種のパラレルワールドの物語で、この「ジョジョランズ」も実は第5部の「黄金の風」のセルフリメイクの側面があるようです。
主人公のジョディオは、「ストーンオーシャン」のジョルノ・ジョバァーナの生まれ変わりではないか、と言われています。マフィアのボスを目指すジョルノに対して、ジョディオは大富豪になることを目指しています。一種のギャング組織に属しているのも同様で、これからいかに成り上がっていくのかが描かれることになると思います。
この4巻で仲間が増えて、大金になりそうなネタが転がり込んできて、これを巡って大富豪への道がひらけて来るのかな、と予測しています(私は雑誌は読んでないので、単行本以外の情報は得ていません)。
ジョジョのポイントになるのがどんなスタンドを使うのか、ですが、どんどんスタンド能力が不可解で難解なものになっていく傾向のとおり、今回のジョディオのスタンドは、対象を上から覆うようなスタンドでその下に重力のある雨を降らせて、下の人物やモノは大きなダメージを受ける、というもの。スタンドのデザインはあまりかっこよく無いのですが、これが話が進行していくにつれて、どうなっていくのか楽しみの一つでもあります。
その他の仲間のスタンドもものを作り変える能力や、自分の筋肉を自在に操る能力、誰かが望むものに返信する能力、そして、この4巻で加わるチャーミング・マンの景色と同化する能力など。
3部の承太郎のスタープラチナのように当初は超高速かつ超精密、超パワーでぶん殴るといういかにも戦闘向けな能力(後半で例の時止め能力がプラスになりますが)や、アブドゥルのマジシャンズレッドの炎を吹き出す攻撃、ポルナレフのシルバーチャリオッツの高速で剣を揮う能力などわかりやすいものと比べると、やっぱり難解です。
ただ、ジョジョの後半の部は、アニメを見てやっと好きになれた、みたいにある程度まとまったところで一気に読むという形でないとあまりおもしろくない、という側面があります。
このジョジョランズも4巻時点で単発で読んでもあまりおもしろくは無いところ。じっくり構えて、ある程度物語が進行するまで待った方が楽しめるかも知れません。
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