12月13日に山本直樹の画集が発売になるので、ご紹介します。
山本直樹は成人漫画を主に描き続けてきた漫画家で、その世界ではもはや伝説的な巨匠と言っても良い人です。
デビューは1984年(昭和59年)で当時は、森山塔(塔山森)名義でアングラっぽい作品を出していましたが、同年に山本直樹名義でも「私の青空」でデビュー。
当初はストーリー性のある青年漫画を山本直樹名義で、完全な成年漫画を森山塔名義で描いていましたが、86年の「極めてかもしだ」のころには境がなくなった感じがします。
その「極めてかもしだ」や、91年の「Blue」が有害指定を受けたり、東京都の条例の有害コミック指定をうけたりしていますが、作風は変わらずに、08年には久しぶりに「堀田」3巻が東京都条例で有害コミック指定を受けたりしています。
近年の山本直樹の印象といえば、「イブニング」誌上で連合赤軍事件をテーマにした「レッド」の連載を開始。この作品は基本的にエロチックなシーンはなくなっています。ただ、題材が題材なのでかなり陰鬱な印象の読み心地で読む人を選びます。
森山塔時代の作画は、吾妻ひでおの影響を強く感じさせるもので、吾妻以上にエロ方向に振った吾妻ひでおといった印象でしたが、かもしだのあたりではもうかなり個性が確立した印象です。
80年代中盤ぐらいに青春を迎えたオタクっぽい男の子は、かなりの確率で山本直樹の洗礼を受けたものですが、実は私も例に漏れずかなり影響を受けた口。
未だに、当時購入したフランス書院のコミック文庫(森山塔作品)を何冊も持っています。
かなり大胆な性描写に、ストーリー展開がシュールと言うかシニカルと言うか、独特な存在感のある漫画家です。
この画集は山本直樹最初の画集で、5500円とけっこう高価。まあ画集というのは高価なものですが……。
カラー原稿160ページに加え、モノクロ原稿48ページを集めた2冊仕様で計208ページになります。カラー本は3部構成にて展開しています。
第1章は山本直樹名義のデビュー作の「まかせなさいっ!」から始まり、多くの自著単行本のカバーイラストを中心に収録されています。
第2章は舞台チラシやCDジャケット、小説のカバー絵など、漫画ではないイラストをまとめたもの。
第3章は森山塔、塔山森名義のカラー原稿。初期のアナログ原稿から新装版のイラストなどを一挙掲載しています。
さらにモノクロイラストがもう一冊。
2冊をスリーブケースに収めた、永久保存版になります。
この手の画集は、発行部数も限られるので、後で購入しようとするのはかなり大変。定価よりもプレミアムがついているのが普通になっていますので、気になる方はお見逃し無く。
山本直樹の代表作を下記に紹介したいところですが、18禁とは言わなくてもちょっとこの場に載せるとグーグル先生に怒られそうな作品が多いので、「レッド」をご紹介する程度にしておきます。
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