米国のウイスキーについて
アメリカ合衆国で生産されるウイスキーをアメリカンウイスキーと呼びます。世界の5大ウイスキーの一つであり、味わいは一般的に他の地域で生産されるウイスキーよりも軽い傾向にあります。
アメリカンウイスキーの味わい
一般的にアメリカのウイスキーは甘くまろやか。とうもろこしを使うケースが多いので、どうしてもそうなり勝ちです。
さらにアメリカのマッチョイズムを反映してか、味の表現として力強い、男性的、無骨などの言葉も良く使われます。
アメリカンウイスキーの定義
アメリカンウイスキーは「連邦アルコール法」により、以下のように定義されています。
穀物(とうもろこし、ライ麦、小麦等)を原料に190プルーフ(アルコール度数95%)以下で蒸留し、オーク樽で熟成し(コーン・ウイスキーは除く)、80プルーフ(アルコール度数40%)以上でボトリングしたもの、と定められています。
これはけっこうざっくりとした定義であり、アメリカには色んな種類のウイスキーが生まれることになりましたが、バーボンなど特定のウイスキーを名乗る場合は追加で条件が定義されています。
アメリカンウイスキーの歴史
アメリカの蒸留酒の歴史は移民たちの入植の歴史と重なります。ヨーロッパ各地から植民が始まった当時は、オランダ人がジン、フランス人がブランデーを蒸留するといったケースが多かったようですが、その後は西インド諸島からラム酒が輸入されるようになり、そしてライ麦やとうもろこしが原料として使われるようになり、スコッチ・アイリッシュと呼ばれるスコットランド人、アイルランド人がウイスキーの蒸留を始めます。
独立後に、政府がウイスキーに重税を課す様になったため、多くの業者はケンタッキー州やテネシー州へ移動し、内陸の気候がとうもろこしの栽培に適していたことから、これを原料とするのが一般的になり、バーボンウイスキーの製法が確立されていきます。
1770年代にケンタッキー州のジョージタウンの牧師エライジャ・クレイグがバーボンの製法を確立し、それを多くの蒸留業者が模倣したと言われています。
19世紀中盤にジャック・ダニエルがテネシーウイスキーを創業し、高い評価を得て多くのファンを獲得しました。
1920年に連邦禁酒法が施行され、酒類の製造・販売が禁止されると、ウイスキー蒸留所の多くが閉鎖され、わずかに薬として蒸留が認められたものが残る程度でしたが、その分違法な密造酒が横行して、アル・カポネを始めとするギャングの資金源になったりしました。
1933年に禁酒法が撤廃されるとアメリカンウイスキーの復興が始まりますが、州によっては州法で禁酒法がのこっていて、復興が遅れたところもあります。
第二次大戦にアメリカが参戦したこともウイスキーの復興が遅れた原因となりましたが、戦後の1950年代に入って復興も軌道に乗り、生産量や消費量が拡大していきます。
主なウイスキーの種類
バーボンウイスキー
原料の51%以上がとうもろこしで、160プルーフ(アルコール度数80%以上)で蒸留し、内側を焦がしたオークの新樽で125プルーフ(アルコール度数62.5%)以下で樽詰めして熟成させたものという条件があります。
このうち、2年以上熟成したものをストレートバーボンウイスキーと呼びます。
一般的にスコッチウイスキーよりも熟成期間が短い傾向があります。
テネシーウイスキー
法的にはバーボンウイスキーの製造の条件をすべて満たしていますが、テネシー人の誇りからかテネシーウイスキーと名乗っていて、さらにチャコールメローイングという工程があります。これはサトウカエデの炭で原酒をろ過してから貯蔵するというもので、これにより雑味が消えて飲みやすくなると言われています。
コーン・ウイスキー
原料の80%がとうもろこしで160プルーフ(アルコール度数80%)以下で蒸留。特に熟成期間の指定はなく、そのまま出荷されると無色透明になります。
熟成させる場合は、新品のオーク樽(焼き焦がしをしていないもの)か、中古の樽を用いて、6ヶ月程度熟成させます。
2年以上熟成させたものはストレートコーン・ウイスキーと呼びます。
なお、コーン・ウイスキーメインのブランドもありますが、バーボンの有名ブランドがバリエーションの一つとしてコーン以下のウイスキーをラインナップしているケースも多くあります。
モルトウイスキー
原料の51%以上がモルト(大麦麦芽)を使っているもの。内側を焦がした新しい樽で熟成します。なお、2年以上熟成させたものはストレートモルトウイスキーと呼びます。
ライウイスキー
原料の51%以上がライ麦芽を使っているもの。内側を焦がした新しい樽で熟成します。なお、2年以上熟成させたものはストレートライウイスキーと呼びます。
ホイートウイスキー
原料の51%以上が小麦をつかっているもの。内側を焦がした新しい樽で熟成します。なお、2年以上熟成させたものはストレートホイートウイスキーと呼びます。