カナディアンウイスキーについて
カナディアンウイスキーの概要
カナディアンウイスキーはカナダ国内で作られるウイスキーを指します。世界の5大ウイスキーの一つで、主にとうもろこし、ライ麦、大麦の麦芽を原料にしていることが多いようです。
使用割合はバーボンと違って任意ですが、ライウイスキーを名乗る場合は、ライ麦の使用比率が51%以上で無ければならないとされています。
製造の際に、麦類を原料とした蒸留酒を原酒とするウイスキーと、とうもろこしを原料とした蒸留酒を原料とするウイスキーの2つに大別され、このうち麦類を原料としたもののほうが香りなどの個性が強いと言われていて、フレーバリングウイスキーと呼ばれます。
それに対しとうもろこしを原料としたウイスキーはすべてフレーバリングが行われるために土台として用いられるウイスキーであることからベースウイスキーと呼ばれます。
カナディアンウイスキーは一般的に、ベースウイスキーの比率を7割りから9割りにしてブレンドすることが多いことから、癖がない味わいに仕上がりやすくなります。
カナディアンウイスキーは地理的に近いことからバーボンとの類似点が多いですが、バーボンの方が厚みのある味わいで、カナディアンウイスキーは飲みやすく軽い仕上がりになっています。
カナディアンウイスキーの歴史
カナディアンウイスキーの誕生は1769年であったとされています。それ以前に現在のモントリオール付近にカナダで最初の蒸留器を備えた醸造所が建設されたのは1668年のことで、これが始まりとも考えられます。
18世紀後半に穀物が過剰生産となり、その余剰分を使って、製粉所が蒸留酒の製造を始め、次第に蒸留酒づくりを本業にする業者も出現。こうした蒸留所で作られるウイスキーはほぼすべてがアメリカ向けでしたが、この頃の製品は「One day whisky」と呼ばれる粗悪品で、蒸留してほぼそのまま(熟成を行わずに)製品として出荷していたそうです。今では、こうしたものはニューメイクと呼ばれて、一部の好事家向けに販売されることもありますが、基本的にウイスキーは数年程度の熟成期間を経なければ名乗ることができません。
1850年代頃には連続式蒸留機が導入され、それまでのライ麦中心からとうもろこしがしばしば使用されるようになっていきます。また、最初のカナディアンウイスキーの有名銘柄であるカナディアンクラブは1856年に蒸留所をオンタリオ州のウォーカーヴィルで創業。アメリカ市場でのカナディアンウイスキーの地位が高まり始めます。
次の転機は、1920年から1933年にかけてアメリカで禁酒法が施行されたこと。この法律によりアメリカのウイスキー産業は大打撃をうけ、当時シェアナンバー1であったアイリッシュウイスキーは輸入禁止措置が取られやはりアイリッシュウイスキーも壊滅的な打撃を受けます。
しかし、カナディアンウイスキーは、表面上は輸入禁止となっても、地理的に近く国境線も長かったため、容易に密輸が可能でした。それにカナディアンウイスキーの蒸留所はほとんどが元々アメリカとの国境近くにあったため(現在でも、カナダ人の人口分布を見ると、ほぼアメリカ国境近くに集住しています)、合衆国北部の住民は休日になると自動車で国境を超えてカナダで酒を購入することが多く、その車の行列が延々と続いていたそうです。
禁酒法廃止後もウイスキーという製品は数年に及ぶ熟成期間が必要なため、すぐにアメリカ国内の蒸溜所は復活できず、その間も含めてカナディアンウイスキーは大発展を遂げることになりました。
そして、シーグラムやハイラム・ウォーカーといったカナダ発の巨大酒類メーカーもこの時期に大躍進を遂げます。
戦後の一時期は、カナダの酒税がほとんど禁止税的なぐらい高くなった時期もありましたが(カナダは州ごとに種類の販売方法や税率が異なり、厳しい州では販売も製造も難しいぐらいになったこともありますが、現在は重要な輸出産業の一つとしてカナディアンウイスキーも盛んに作られるようになっています。


