スペイサイドについて
スペイサイドの特長
スペイサイドはスコットランド北東部のハイランド地方にある地域で、スペイ川の流域になります。特にシングルモルトウイスキーの産地として有名で、さほど広い地域ではないにもかかわらず、50を超えるモルトウイスキーの蒸留所があります。
スペイサイドの主な蒸留所
グレントファース
グレントファースは、キースの郊外にある、1898年ジェームズ・ブキャナン社によって設立され、ブキャナンとブラック&ホワイトブレンドに原酒を供給してきました。
1980年代初頭に需要低迷の影響を受け、85年に閉鎖。89年にアライドエステートに買収され、92年に生産再開。バランタイン傘下の銘柄として、現在はシングルモルトを発売しています。
グレングラント
ジョンとジェームズのグラント兄弟が1839年に、当時としては巨大な蒸留所を建設。その蒸留所のあるエルギンまで鉄道を敷設するなど先見の明があり、ジョンの息子で同じくジョンという名前ですが「少佐」の愛称で知られることになるジョン・グラントがさらに蒸留所を発展させます。その後にいくつかの変遷を経て、最終的には06年にカンパリ・グループに買収されました。
イタリアでは、グレングラント10年が非常に人気が高く、シングルモルトといえばグレングラントと言われるほどです。日本ではアルボラリスがコストパフォマンスの高いシングルモルトとしておなじみになっています。
グレンフィディック
スペイサイドのダフタウンで1886年に創業したモルト蒸留所です。創業者はウィリアム・グラントで、当時は手作りの小さな蒸留所でしたが、現在ではスコッチのシングルモルトを代表するビッグネームになっています。現在でも創業者の子孫たちの会社であるウィリアム・グラント&サンズが蒸留所を持っています。
2015年にグレンリベットに抜かれるまでは世界一の売上を誇っていて、特徴的な三角柱のボトルデザインは、ブレンデッドのグランツ トリプルウッズと並んで、代名詞になっています。
価格面では、シングルモルトとしては値ごろでありながら、初心者から上級者まで誰でも安心して楽しむことができる安定した品質を維持しています。
ザ・グレンリベット
グレンリベットは、スペイサイドのマレィに位置し、高品質なシングルモルトを生産しています。グレンリベット行政区では最古の政府公認蒸留所で、1824年に認可されています。実はそれ以前から密造酒の蒸留所として活動していたのですが、1823年にスコッチウイスキーの歴史に大きなインパクトを与えた酒税法改正が行われ、大幅に税金が引き下げられました。それで、密造酒作りから許可証を得て活動する公認の蒸留所の時代に変わっていくのですが、その第1号がグレンリベットになります。
そのため、オーナーのジョージ・スミスは他の密造業者から裏切り者扱いされ、普段から拳銃を持ち歩かなくてはならなくなったそうです。
当初から高品質で知られていましたが、グレンリベット行政区の蒸留所は、グレンリベットの名声にあやかって、◯◯グレンリベットと名乗るケースが多く出たため、裁判を起こし、ザ・グレンリベットと定冠詞付きで名乗れるのは、このグレンリベットだけになったそうです。
現在ではグレンフィディックと並んで、値ごろの価格帯で、高品質で安定したシングルモルトをリリースしています。
ベンリネス
ベンリネス蒸留所は、アベラワーで1826年に設立され、現在も操業を続けるモルト蒸留所になります。2007年まで独自の部分三回蒸留を採用していました。
創業者はピーター・マッケンジー。ただし、創業3年後には洪水で流され、ジョン・イネスが数キロ離れた場所に新しい蒸留所を作り、その後現在の場所に移りました。
ベンリネスの所有者は次々に不運に見舞われ、蒸留所自体も火災に見舞われたりしています。
ジョニーウォーカーやJ&Bの原酒になっていることもあって、シングルモルトとして販売される量は少なく、それでも人気があるため、かなりのレアアイテムです。
焦げるようなスモークと、ハチミツなどの甘い味わいのあとに、スパイシーさが後味として残る味わいです。
グレンファークラス
グレンファークラスは、ゲール語で「緑の草の生い茂る谷間」という意味で、1836年創業。1865年にグラント家(ウィリアム・グラント&サンズ)が蒸留所を買収して以来、現在でもその傘下にあります。伝統的なスペイサイドスタイルによるウイスキーづくりをしていて、オロロソシェリー樽による熟成にこだわっていて、スペイサイドらしい高いクオリティのシングルモルトが楽しめます。
マッカラン
1824年、スペイ川中流に創業したモルト蒸留所になります。付近は私場として交通の要所だったそうです。
その歴史を通して常に高品質なシングルモルトをリリースしており、ハロッズのウイスキー読本では「シングルモルトのロールスロイス」と称されるほどです。
シェリー樽熟成にこだわっていて、自社で管理する森林で伐採されたオークを1年ほど天日で乾かし、スペイン南部で加工してシェリー用の樽にします。その樽にシェリー酒を3年間詰めて熟成させた後、樽を改修してマッカランの原酒の熟成に使われる……というコースを辿っています
現在では、サントリーが株を半分所有し、残り半分はエドリントンが所有していますが、そのエドリントンにもサントリーの資本が入っているため、生産量自体は多くはないブランドなのですが、日本では比較的豊富に揃っています。

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