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本好きの下剋上

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「本好きの下剋上」は香月美夜が「小説家になろう」に投稿したネット小説が初出で、TOブックスで書籍化。全36巻(本編33巻+外伝1巻+短編集2巻)で構成されている大作です。

女性作家による作品らしく繊細できめ細やか。漫画、TVアニメにもなっています。

そのコミカライズの方は、原作が1部から5部まであるのですが、1部2部が鈴華が作画。3部が波野涼、4部が勝木光となっています(5部はまだコミカライズが始まっていません)。

鈴華は、この作品が事実上のデビュー作。波野涼も同様に本好きの下剋上ぐらいしか作品がないのですが、勝木光は少年マガジンで「ベイビーステップ」というテニス漫画を連載し、全47巻というヒット作になっています。この手のコミカライズを手掛けるのは割りと新人が多いのですが、勝木光というかなりの大物を持ってくるあたり、如何に期待されているかがわかります。

またTVアニメの方も3期までで合計36話も作られていて、好評を博しています。でも36話まで放映しても、まだまだお話の出だし部分ぐらい。

ストーリーは、本好きで司書の職を得た主人公が頓死して、異世界の平民の娘マインに生まれ変わったところからスタート。この手のなろう小説の舞台になるヨーロッパ風異世界はナーロッパとか言われていて、中世風と言われながら実際には近世風で、主人公に都合の良い世界観なのですが、「本好きの下剋上」ではかなりホントの中世風の設定です。

狭苦しい城塞都市に集住していて不清潔な衛生環境。平民はほとんどが文盲で本など見たこともないという人が大部分。そうした世界で、虚弱体質に生まれながら(虚弱の理由は平民らしからぬ魔力が暴走したためですが)、好きな本を再び手に入れるために苦労していくというものです。

第3部で、その膨大な魔力を認められて「領主の養女」となって神殿長となって、貴族世界を遊泳していく話になって、少々1部2部とは毛色が変わって来ますが、重厚で繊細な作風に違いはなく、しっかりと物語は進んでいきます。

 それにしても、舞台となっている王国は酷い人格の貴族ばかりな上に王室関連の登場人物もけっこうな連中ばかりです。

貴族は基本的に魔力を持っていて、平民とは力が隔絶しているので、支配体制は揺るぎないのですが、それでも作中の時代のしばらく前に騒乱があったとのことでまあそうだろうなあ、と思わせます。

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