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実験人形ダミー・オスカーについて

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「実験人形ダミー・オスカーは小池一夫原作の劇画作品の一つです。小池一夫の作品は、アマゾンの電子書籍キンドルで次々に入れ替わりでセールになるので、この作品も割りと頻繁にセール対象になって、19巻のかなり長い作品でも時期によっては安く買えます。

小池一夫は様々な職業を経験した後、68年春にたまたま眼にした少年マガジンでさいとう・プロダクションが原作者募集をしているのを見て、応募。採用されて、初期の「ゴルゴ13」や「無用ノ介」などの原作に携わった後に70年に独立して活動開始。72年には叶精作、神江里見、小山ゆう、やまさき拓味、伊賀和洋、神田たけ志らとともにスタジオ・シップを立ち上げて、実力派漫画家を作画に加えて、多数の原作を手掛けていきます。

「実験人形ダミー・オスカー」は77年から84年にかけて叶精作作画で発表された作品です。叶精作もさいとうプロで4年間のアシスタントをした後、独立して、スタジオ・シップで小池一夫に師事。この「実験人形ダミー・オスカー」が叶精作の出世作とも言える一作になっています。

発表誌のGOROは青年向けのグラビア雑誌で、漫画誌とは違い、それだけにこれまでの劇画作品と違って、かなり革新的な表現や展開で当時の若者たちに多大なインパクトを与えました。

ストーリーは天才的な人形師であり2重人格の主人公、渡胸俊介(ときょう しゅんすけ)が最初はドイツのフォルクスワーゲンの事故対策実験用のダミー人形を作る仕事を始めるところからスタートして、様々な事件に巻き込まれて行って、アメリカにわたり、幾度か日本にも戻ったりしているロードムービー的な物語が展開されていきます。

それで、舞台が変わるごとに主人公に絡むヒロインも次々と入れ替わっていくのですが、叶精作の作画はCGを導入した最初期の漫画家で、すごく美麗な作画なのですが、割合にヒロインがどれもあまり違いが無い、という憾みがあって、でもこの場合はヒロインが入れ替わってもあまり入れ替わった実感が無いまま話が進んでいきます。

今の目で見ると、色々と欠点も多い作品ですが、そろそろ還暦間近の私にとっては懐かしい作品。安く買える時に買っておいて、暇にあかせて読み進むのにピッタリです。

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